空母揺籃期

BB
BC
CV
CA
CL
DD
SS


上の記号が何かというと、アメリカの軍艦の艦種を表す略号です。


BB=戦艦
BC=巡洋戦艦
CV=空母
CA=重巡洋艦
CL=軽巡洋艦
DD=駆逐艦
SS=潜水艦


BはBattleship(戦艦)の頭文字のことで
CはCruiser(巡洋艦)のCで、DはDestroyer(駆逐)のD
SはSubmarine(潜水)のSを表してます。


小学校の時に、バトルフリートっていうゲームにハマりまくってて
艦種が全部こんな感じで英語で記されていたけれど、ここで不思議に思ってたのが
何故か、空母に巡洋艦の頭文字であるCが当てられてること。
中学くらいの時までは、飛行機を運ぶって意味でのCarrierの
頭文字が当てられてるのかと思っていたけれど、巡洋艦の歴史を調べるうちに
空母のCは巡洋艦のCで正しいんじゃないかと思うようになりました。


ものすごく大雑把に説明すると
巡洋艦というのは、英仏などの列強が植民地を支配するために
「ある程度戦闘力があり」「高速で」「航続力が長い」という条件を満たせる船を
求めた結果生まれた艦種でした。


実際に使ってみると、巡洋艦という艦種は非常に使い勝手の良い艦で
植民地の防衛のみならず、偵察や通商破壊、決戦の際の戦列艦の補佐などの
幅広い任務に使えることがわかります。


第1次世界大戦期になる、偵察や水雷戦隊の指揮能力を強化した巡洋艦である
軽巡洋艦」Cruiser Light 略して「CL」が生まれます。

そして1930年のロンドン海軍軍縮条約では
巡洋艦の分化が行われ、中でも戦闘能力を強化した巡洋艦には
重巡洋艦」Cruiser Armored 略して「CA」の名称が与えられます。


第一次世界大戦中に、飛行機が生まれたことにより巡洋艦はさらに進化をします。
今までの巡洋艦、とくに軽巡洋艦に飛行機を乗っければ、さらに偵察能力が
広がるんじゃね?って発想になり、航空機を搭載した偵察用の巡洋艦が生まれます。
これがおそらく現代の空母の始まりじゃないかと見てます。


第二次世界大戦では空母は攻防の要として活躍しましたが
この頃はまだ、軽巡洋艦の延長線、偵察用の巡洋艦でしかなく
そのため空母(CV)には巡洋艦の頭文字の「C」が
当てられてるんじゃないかと思います。

初期の空母に20cm砲とか15cmとか、そのへんの駆逐艦を圧倒できるくらいの
火力が備わっているのも、最前線で敵の妨害を蹴散らしながら偵察任務をするという
軽巡洋艦の名残っぽいですね。



























■以下蛇足■


…と、ここまではまあ、綺麗にまとめられる感じなのだけれど
ちょうど同時期に、水上機母艦というものが現れます。
※気球母艦とかもあるけど、それはとりあえず置いといてください(´ω`;)
水上機を運用して弾着観測などを行う艦で、空母の祖先と言われていますが
こいつが曲者でして、生まれた時からすでに「AV」という独自の略号をもらっていて
これが自分的に、非常に混乱する存在です。


「AV」というのが何の略なのかよくわからないけれど
これはたぶん、「航空」を意味する「Aviation」の略なんじゃないかと思います。
当時の海軍関係者の、水上機母艦の将来に対する期待の大きさが現れてて微笑ましいですね。


ただ、時代は結局水上機の時代とはなりませんでした。
航空機の役割が、観測から攻撃に移るにつれ、水上機の能力には限界が生じたからです。
時代が進むにつれ水上機母艦は、航空機を運用可能な艦としての主役の座を引きずりおろされ
本来、巡洋艦の派生として発展してきただけの空母が、いつの間にか
航空機を運用する艦の主役になっていました。
水上機母艦涙目ですね。





艦種の略号ひとつをみるだけでも、こういうドラマが
なんとなく想像できてしまうので、文字ってのは奥が深いなーと思いました(´・ω・`)





この文章は自分の適当な知識と妄想から生まれてるので、あくまで
ミリオタ初心者の話のネタとして楽しんで下さい。
特にAVの「A」はAviationの他に「輸送」って意味があるんじゃないか、とか
AVやCVの「V」は飛行機の翼を表してるんじゃないかとか、諸説あるので。。。
Vに関しては、そういう表意文字的な発想を
アメリカ海軍がしてたってだけでも面白いんだけれどw