まきあヴぇっり

ミケランジェロは、ヴェットリア・コロンナのサロンの常連であり、
この教養高い貴婦人を精神上の恋人としてあがめたが、
マキャヴェッリにはそのような存在は一人としていなかった。
彼にとっての女は、女であったのである。パンがパンであるのに似て。」


これは、塩野七生の「我が友マキアヴェッリ」内の、
遊び人であったマキャヴェッリの女性関係に対して書かれた文章。


これを読んだ時に、正直、作者の表現力に嫉妬してしまった。
どれだけ人生の経験を積めば、こういう諧謔的な表現をできるように
なるのだろう。


嬉しい事や面白い事を楽しむ事は簡単だけど、
自分に対する不幸や絶望、他者に対する嫉妬の感情までも取りこんで、
客観的に楽しめるレベルに達せれば
いつかこういう表現をできるようになるのだろうか。


もちろん多量に取り込むと、それは毒でしかないのだけれど。


自分と作者の間に、絶望的なキャリアと才能の差があることは
当然理解していて、嫉妬する事すらおこがましいのだけれど、
嫉妬ができるという事は、まだ心が折れていないという事なのだから
この感情は大切にしていこう。




今回は割と真面目な文章ですた(・w・)