真冬の夜の夢

悪い夢を見た。
舞台は八重洲杯の決勝卓である。
私は当然この席に座っているものと思っていたのだが、
なんと私の代わりに、うさぎに良く似た男が座っているではないか。
私はうさぎちゃんの代わりに、最下位決定卓に座っていた。
私の損失はすでに7000円を超えていた。
うさぎちゃんのいる決勝卓の面子は、歴戦の強豪ばかりであり、
常識的に考えて、うさぎが勝利する事などありえないことだった。


だが・・・ここは夢の中である。
もしかしたら、うさぎちゃんであっても勝つことが出来るかもしれない。
いつもは狩られる立場のうさぎちゃんであっても、
夢の中でくらいは勝利をしても良いではないか。
私は淡い期待を抱きつつ、うさぎちゃんの勇姿を見守る事にした。
それに、うさぎちゃんが勝てば賞金を少し分けてもらえるかもしれない。


1時間後、うさぎちゃんは白骨死体となっていた。
2連続4位である。
夢の中でも勝てないとは、まったく役に立たない男である。
私は失望を胸に、家路につくことにした。






翌朝目が覚めると、私の財布からは7000円が消えていた。
昨夜の出来事・・あれは本当に夢だったのであろうか。