不思議なこと

不思議なことがあったとですよ。
バイトの送別会が終わった後に、
見知らぬアジア系の人に出会い、
小汚い建物へと連れてかれました。
とても恐ろしかったのですが、相手は三人で逆らうことが
できませんでした。


小汚い建物の二階には沢山の人々がいました。
みんな一心不乱に「プラスチックで出来た小さな駒」のようなものを
手でつかんだり、離したりしていました。
何かの宗教儀式かもしれません。そいうえばミクロネシア文化圏の
チャモロ族には、こういった儀式をすることにより
死者を蘇らせることができる、というような伝説を聞いたことがあります。
私もこの儀式をすることを強要され、延々と10時間近く
「プラスチックでできた小さな駒」を上げ下げする作業をさせられました。
精神的にとても辛くて、何度も寝かせてくれるように頼みましたが
アジア系の人々は、
「今度ハ、割レ目ノダブドラ、赤アリ二シヨウジャナイカ。」と
意味不明の発言をして、結局朝まで儀式を続けさせられました。
気が狂いそうになりました。


朝になると、アジア系の人間の中でも極めて狡猾そうな眼鏡男が、
「1万円払ッテ下サーイ」と言ってきて
理不尽にも私から1万円を奪っていきました。
私は既に深い催眠状態にあり、逆らうことが出来ませんでした。


こんな不思議な夜を経験したのは初めてです。
まるで千と千尋の神隠しの世界に迷い込んでしまった気分でした。
1万円は、もちろん戻ってきませんでした。